曲突、薪をうつすは恩沢なく、焦頭爛額、上客となすや


ことわざ・格言には、先人の知恵が詰まっている。 この言葉を知っているだろうか。

曲突(きょくとつ)、薪(たきぎ)をうつすは恩沢(おんたく)なく、 焦頭爛額(しょうとうらんがく)、上客(じょうきゃく)となすや

中国の古典の話だそうだが、示唆に富んでいるので、簡単に紹介したい。

ある旅人が、とある民家の前を通りかかった際、煙突から火の粉が出るくらいかまどの 火が燃え上がっている様子を見て心配になり、 「煙突は屋根とは反対方向に曲げておいた方がいいですよ。それから、薪もなるべく煙突から離れた所に移しておいた方がいいですよ。」と助言しました。 しかしながら、その家人は、「うるさい。よそ者は余計なことを言わないでくれ」と、その親切な助言を無視してしまいました。 ところがその翌日、煙突から吹き出した火の粉により、屋根や薪に火がつき、結局、大火事になって しまいました。その大火事の際、その民家の前を通りかかった別の旅人が、頭を焦がし、 額を爛れさせながら消火を手伝い、活躍しました。 そこで、その家人は、後から来たその旅人を酒や料理で手厚くもてなしたといいます。

こういった話は、いろいろな解釈があると思われるが、「人間は事態の発生を予防する者を評価せず、何か事態が発生した時に派手に立振る舞う者を優遇しがち」という点は、いろいろと考えさせられるのではないだろうか。 私も、最近まで知らなかったのだが、下記著書のP373で、紹介されていたので、非常に勉強になった。